ちゃんしの講師がかけた魔法で、子どもたちは大興奮

平成28年1月23日(土)。工作教室「君のおばけを作ろう!」が福島県大玉村で開催されました。午前と午後の2回、会場を移して行われた工作教室の様子をレポートします。

有賀先生

ちゃんしの登場!

参加した児童は午前の部が13名、午後の部が18名。東京から来た講師と取材スタッフに囲まれ、当初、子どもたちは緊張の面持ちでした。
でも、そこで講師の有賀先生が魔法をかけます。
最初の呪文は、自分の名前。黒板に「有賀忍」と大きく書きました。
「ありがしのぶっていいます。でもこんなこむずかしい名まえじゃおもしろくないよね。だから、名前だけで、ちゃんをつけて『しのぶちゃん』。でも女の子みたいだから、ひっくり返して、”ぶ”もとって、『ちゃんしの』です。いいかな? じゃあ、みんなで呼んでみて」
「ちゃんしの」
「声が小さいなあ。もっと大きくな声で~」
「ちゃんしの!!!!」
有賀先生は畳みかけます。
「今日はおばけを作るんだけど、みんなおばけってみたことあるかい?」
「な~い」
「そうなの。でも意外と近くにいるかもしれないよ。おばけ」
そこへ、シーツを被ったスタッフ2名が登場。高学年は笑ってみていましたが、低学年は引き込まれるように見入っていました。

今度はおばけといっしょに体操です。これでかなり緊張が解けた子どもたち。有賀先生の説明を真剣に聞いていました。
最初は、いろいろな絵に好きな色で塗り絵をするウォーミングアップです。
「みんな普段は、あれしちゃダメ、これしちゃダメって言われるでしょ。でもね、今日は何を書いても自由、どんな色を使っても自由、好きにやっていいよ」と有賀先生がはっぱをかけます。
自由の羽を得たこどもたちが描く塗り絵に、スタッフはびっくりしました。極彩色に塗る子、モノトーンで紫だけを使う子、背景だけに色をつける子。まさに十人十色。有賀先生が子どもたちから引き出したかったのも実はそこでした。だから日常から解き放つための演出を加えたのです。こうして、自由と個性にあふれる作品が次々にできていきました。

次は、いよいよメインイベントのおばけのおもちゃづくりです。紙パックを利用したもので、目の部分が回転して、いろいろな表情を作れるおもちゃです。
有賀先生お手製の工作キットを子どもたちが組み立てていきました。この頃には、「ちゃんしの~、教えて」とあちこちからお呼びがかかるようになっていました。
「いいよ、いいよぉ。OKOK。わはは。おもしろいねえ」と有賀先生は励ましながら、みんなの間を回っていきました。

先生と子と?もわからないことは何でも聞こう
完成した作品で遊ぶ時も、有賀先生はオーバーアクション気味に感想を述べました。子どもたちの行動にしっかりとリアクションを示すことが大切なのです。それは、あなたの存在、あなたの行動を私という大人が見ていた証明になります。大人と子どもの信頼関係はそこから始まるのです。
ワークショップ後、参加者に感想を聞きました。
「ものすごく楽しかった」
「紙パックを利用しているところがすごいなと思いました」
「うちに帰って、もう一回作ってみたいです」
そして何よりも多かった意見は
「また来てくれる? ちゃんしの」
有賀先生のかけた魔法は、最後まで解けませんでした。楽しく工作をしたことももちろんですが、ちゃんしのと過ごした時間が子どもたちには楽しかったのだと思います。

子と?もたちの作品

子どもたちが作った作品


実施概要
主催:公益社団法人「小さな親切」運動本部
補助団体:公益財団法人JKA
協力:「小さな親切運動」福島県本部(東邦銀行)
講師:有賀忍(江戸川大学こどもコミュニケーション学科客員教授)
参加協力:大玉村立大山小学校、大玉村立玉井小学校
日時:平成28年1月23日(土)
場所:大山公民館(午前)、農村環境改善センター(午後)