「廃材」?いいえ、「おもちゃのもと」です!

広い芝生の中庭。休み時間には 子どもたちのにぎやかな声が響き渡る

2017年の工作教室は、9月7日(木)に、熊本県山鹿(やまが)市立鹿北(かほく)小学校で実施しました。
鹿北小学校は、4年前に、地域の3つの小学校が1つになってできた学校です。子どもたちが楽しく学べるようにと、木のぬくもりを感じられる教室や、大きな中庭がありました。
近くにある中学校との交流をとても大切にしていて、工作教室当日は、職業体験として、教師体験をしていた鹿北中学校の生徒さんも参加してくれました。

おもちゃの作り方を教えてくれるのは、有賀忍(ありが・しのぶ)先生。有賀先生は子どもたちとの距離を近づけたいと、みんなに「“ちゃんしの”って呼んでね。分からないことがあったらすぐ声をかけてね!」と話します。
おもちゃ作りが始まると、あちこちから「ちゃんしのー!」と呼ぶ声が。“ちゃんしの”も汗だくになりながら、楽しそうに子どもたちに答えていました。
今年の工作教室に参加してくれたのは、1・2年生と6年生。それぞれ、2種類のおもちゃを作りました。

◎ まずは1・2年生がチャレンジ!

絵を描いたりテープを貼ったり。 思い思いにデザインする子どもたち

まず、1・2年生が何を作ったのかというと、その名も「ゴロゴロゴ」。これは、6Pチーズの空き箱とラップの芯を使います。イメージは、車輪のおもちゃといったところ。筒(ラップの芯)の中にビーズを入れて、筒とチーズの箱を固定したら完成です。
あっという間にできちゃったー!と思ったら、実はここからがお楽しみの時間。そう、今回は作るだけではなく、遊び方も想像してほしいと、遊ぶ時間も用意していたのです。

いつも元気な“ちゃんしの”も、子どもたちの勢いにタジタジ

ゴロゴロゴを持って、子どもたちは次々と教室を飛び出し、広い廊下のあちこちで遊び始めます。まっすぐ転がせるか試したり、どちらが遠くまで転がせるか友だちと競ったり。最後には、「一緒にあそぼー!」と子どもたちにせがまれ、取り囲まれる“ちゃんしの”の姿がありました。
ちなみに、今回は筒の中にビーズを入れましたが、小さい鈴を入れて楽器のように遊ぶこともできます。思いついたことをどんどん取り入れると、自分だけの遊びが作れるのですね。

◎ 6年生も、負けてません

一方の6年生は、牛乳パックを使って「回転円盤おばけ百面相」を作りました。内部に仕込んだ円盤を回すと、表情がくるくる変わるおばけのおもちゃです。
早速、「自分が考えたおばけを描いてみよう!」と言われた子どもたちですが、おばけの姿を想像するのは少し難しい様子…。そこで“ちゃんしの”が声をかけます。「良いも悪いも、正解も間違いもないんだよ。自分の好きなように表現していいんだ!だって、おばけは誰も見たことがないでしょう?」

自作のおばけに命名!

すると、戸惑っていた子どもたちの手がどんどん動いていきます。ウルトラマンのポーズをきめたおばけや、リボンで着飾ったかわいいおばけ、いろいろなおばけたちができあがりました。友だち同士で見せ合って楽しむ姿に、見学していた先生たちも、元気をもらったとおっしゃっていました。

◎ みんな、お金は大切にね!

作った貯金箱に「ご縁があるように」と最後に五円玉をチャリン!

さて、それぞれもうひとつ、作ったものがあります。それは、ラップの芯とペットボトルのキャップを使った貯金箱。一度作ったら、お金が貯まるまで開けることはできません。一生けんめい貯めることで、お金、特に小銭も大切にする気持ちを伝えたいと、“ちゃんしの”が考えた貯金箱なのです。
壁に引っ掛けられる仕組みも大人気。子どもたちは名前を書いて、大事そうに持ち帰ってくれました。

いつもは捨ててしまう「廃材」で、楽しいおもちゃが作れてしまうことにびっくりした子どもたち。「おうちに帰ってまた作ってみる!」と言ってくれたその言葉に、“ちゃんしの”も笑顔になっていました。

※今回制作したおもちゃの作り方は、こちらからご覧いただけます。

 


実施概要
主催:公益社団法人「小さな親切」運動本部
補助団体:公益財団法人 JKA
協力:「小さな親切運動」鹿北支部
講師:有賀忍(江戸川大学こどもコミュニケーション学科客員教授・相模女子大学子ども教育学科客員教授)
参加協力:山鹿市立鹿北小学校
日時:平成29年9月7日(木)
場所:鹿北小学校