紙芝居のいいところ

ベテラン教師も驚いた!
子どもたちの心と脳を育てる「紙芝居」マジック

紙芝居には良いところはたくさんありますが、ここでは子どもの「心と脳の成長」という面でご紹介します。今は脳がどんな時に働くのかを調べることができます。テレビを見ている時、脳はほとんど働いていません。眠っている時と同じ程度なのです。これに対して、紙芝居を見ている時の子どもたちの脳は活発です。この違いはどこから来るのでしょうか。
脳科学者で、帝京大学ちば医療センターの神経内科教授栗田正(あきら)氏に伺ったところ「紙芝居が一種のコミュニケーションだからですよ。受動的に情報を受け取るテレビとは大きな違いがあります」と教えてくれました。

紙芝居には語り手がいます。子どもたちは紙芝居だけではなく、後ろにいる語り手の口調や表情もキャッチして、物語の中に入っていきます。そして、語り手も子どもたちの様子を受け取りながら、間合いやテンポなどの演出を変えていきます。情報のやり取りによって、その場が変わるのです。生身の人の声で語られることが、言葉のニュアンスを学ぶことにもなります。
さらに紙芝居は枚数も限られていますので、必要最低限の絵しか登場しません。そこに描かれていない世界は、自分で想像し、描いていくことになります。見えているもの以外を想像して補いながら見ているのです。時系列的にすべてが見えてしまうテレビとは、ここにも違いがあります。想像力を働かせ、考えをめぐらす余裕があるのも良い点ではないでしょうか。それによって、主人公と同化することができ、さまざまな感情を追体験することができるのです。

紙芝居を見た後子どもたちに聞くと、あまりに正確に物語を理解していることに驚かされます。作者でも登場人物の名前を間違えることがあるのに、一度見ただけでしっかりと覚えてしまうのですから、集中力とはものすごいものです。

先述の栗田教授の説明です。

「情報は刺激が多いほど、記憶しやすいのです。紙芝居では目から、耳から、空気から、いろいろなルートで刺激がきます。子どもたちが理解できるテンポで展開されますから、その間に自分の感情や周りの人の感情も加わってきますので強く記憶に残るのです。教材としては魔法に近い効果がありますね」

もらい泣きという言葉があるように、人は共感すると、相手と同じ部分の脳が働きだすのです。教室で友だちといっしょに見る紙芝居には、人と共感できる心も育んでくれるのですね。

今回、たくさんの学校で授業を行いましたが、多くの先生が子どもたちの集中力に驚かれていました。そして、いただいた感想で一番多かったのは、「自分の知らない子どもたちの顔(考え)を見ることができました」というものでした。80年以上前から続いてきた紙芝居を利用して、ぜひ子どもたちの新しい顔を見つけてみてください。

2014年11月20日に授業を行った都城市立東小学校では、授業後に近隣の小学校の先生も含めて意見交換会を行いました。教職員の皆様の率直なご意見が聞けますので、こちらも併せてご覧ください。

実際に授業を行った先生の感想

いつもは発言が少ない子どもも積極的に意見を出していて驚いた。これが紙芝居の力なのかも。ひとつの作品で、全学年の授業ができる※のもうれしい!

※「まつりのひ」を使った授業を行った先生の感想です。作品によっては対象学年が限られる場合があります。