福井県内の「小さな親切」運動~福井県本部~
親切で心のレジリエンスを高めよう ~福井県本部が特別セミナー開催~ 

2月2日(金)、福井県本部(事務局:福井放送)が「特別セミナー」を開催し、運動本部の栗田正理事(帝京大学ちば総合医療センター脳神経内科客員教授)が「親切と心のレジリエンス(回復力)」をテーマに講演を行いました。

「レジリエンス」とは、もともと物理学用語で「回復力」「弾力性」と訳されますが、近年は困難やストレスに適応し乗り越えるしなやかな精神力、急激な社会変化に柔軟に対応する力を意味し、心理学やビジネスの分野などで広く使われるようになりました。

 

福井県では、元日に起きた「能登半島地震」で福井市が震度5弱、石川県に近いあわら市では震度5強を観測し、家屋損壊などの被害が出ました。同じ北陸を震源とする地震に心を痛め、いまだ不安な思いをされている方も多くいらっしゃいます。そこで、今回の講演では当初の内容を一部変更し、災害や事件・事故などの予期せぬ悲しい出来事から立ち直るために必要な「心のレジリエンス」を中心にお話ししました。

 

栗田理事は、「アメリカ同時多発テロ事件」(2001年)を例に、ニューヨーク市民、テロの標的となったビルにいた生存者が心を回復し、平常心を取り戻すためには、家族や友人、地域やボランティアのサポート、すなわち「人とのつながり」が欠かせないことを示すエビデンスを紹介。一方、様々なデータから「孤独」な状況は、心だけでなく体も蝕む要因になることもわかりました。

また、「小さな親切」をしたり、見たり、受けたりすると幸せホルモンが放出され、脳の前頭前野が活性化することがわかっていますが、この働きはレジリエンスを高める脳の形成にも必要不可欠。すなわち、日頃から親切に触れることは脳の働きを活性化させるとともに、心のレジリエンスを強化できるのではないか、と結論づけました。

参加者の多くはメモを取りながら集中して聴いてくださり、質疑応答では閉会の時間まで質問が途切れることなく、福井の皆様の勉強熱心さを改めて感じました。

司会は福井県本部・森本茂樹事務局長(福井放送アナウンサー)
たくさんの質問が出ました

心と体の健康のためにも、親切や人とのつながりの大切さをこれからも発信していきたいと思います。

 


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