たくさんの笑顔をありがとう!
 ~長崎市立三和中学校 SAT隊

 

運動本部・小林和明副代表が、長崎市立三和中学校SAT(サット)隊の皆さんと初めてお会いしたのは、2018年11月、「小さな親切」運動長崎支部の「小さな親切」実行章贈呈式の会場でした。この出会いをきっかけに、SAT隊のみなさん、顧問の大川先生と、小林副代表の交流が始まり、それがいろいろな縁につながっていきました。
たくさんの方の心を動かす、SAT隊の活動や、広がるご縁を、生き生きしたメンバーのお写真とともに紹介いたします。


 

SAT隊との出会い

SAT隊は、「“SANWA(三和中学校) ACTIVE(活動的な) TEAM(チーム)”の略、地球防衛隊【三和中学校支部】のチーム名」で、生徒たちがメンバーとなって活動するボランティアグループです。学内の困りごとを解決したり(例えば今年度はサビが浮いていた運動場の鉄棒や、体育館ギャラリーのペンキ塗り直しなどのミッションをなしとげました)、施設慰問などを行って、みんなを笑顔にしています。
SAT隊は、学内外での数々の活動が評価され、2018年に「小さな親切」実行章を受章。「小さな親切」運動長崎支部は、例年実行章の贈呈式典を実施していますが、この中で受章された方々の活動内容をたくさんの人に知ってもらおうと、表彰状の贈呈に加えて、受章団体が活動発表する時間を設けています。SAT隊は、ここで普段メンバーが取り組んでいるボランティア活動を紹介するとともに、施設慰問時にも好評の合唱を披露してくれました。

その時の様子は、情報誌「小さな親切」(2019年 新春号)にも掲載させていただきましたが、実はその後もSAT隊とのご縁は続いています。この式典に参加し、SAT隊の社会貢献活動に共感するとともに、透明感ある歌声と、皆さんのピュアな心に触れた運動本部・小林副代表は、以後もSAT隊と交流しつつ、その活動を様々な場所で伝えてきました。


式典直後の一枚。大川先生(後方左)、小林副代表(後方中央)とSAT隊の皆さん。お写真を情報誌に掲載してもよいですか?とたずねると、「ハイッ!」と元気のよいお返事をいただけたことが、印象的でした。

 

 

SAT隊と「マイバラード」

式典で披露してくれた合唱のうち、副代表が最も心を動かされたのは「マイバラード」でした。会場でも、この曲を聴いて涙を流している方がいらっしゃいました。「マイバラード」。そう、以前「特集」でもご紹介した、松井孝夫さんが作詞・作曲をされた、中学の音楽の教科書にも載っている名曲です。代々のSAT隊の隊員さんたちも、とてもお気に入りの1曲だそうです。

東京に戻った副代表は、この素晴らしい曲を作られた松井さんにお会いしたい!と、直接松井さんを訪問。そしてSAT隊が、ボランティア活動の中で「マイバラード」を歌っていることを紹介すると、松井さんも大変喜んでくださり、後日SAT隊に激励のメッセージが書かれた色紙などを贈ってくれました。受け取った隊員の皆さんは、『これからも頑張るぞ!』と、決意を新たにしたそうです。


活動を紹介する「We are SAT隊」(令和元年9月3日発行)には、松井さんから色紙をいただいたことやその喜びが報告されました。

 

顧問の大川先生は、色紙などと一緒に送られてきた松井さんのお手紙を読み、「マイバラード」は松井さんが行っていたボランティア体験の中で生まれたという経緯を知って、SAT隊のメンバーが、なぜこの曲が好きなのかがわかった気がしたとのこと。『生徒たちは曲を通して、当時の松井先生のご心情と今の自分たちの体験とを重ね合わせ共感していた』と感じられたそうです。

SAT隊の「マイバラード」が、多くの人の心を動かすのは、彼女たちのそうした思いが伝わってくるからなのかもしれません。

 

 

副代表、三和中学校を訪問!

実行章伝達式での出会いから1年、再び九州を訪れた小林副代表は、ぜひこの機会にもう一度SAT隊の皆さんにお会いしたいと、豊かな自然に囲まれた三和中学校を訪問しました。この日は晴天で、周りの空気を味わいながら学校に向かうと、その最中に歩道で行き交う小学生や大人の方までも「こんにちは!」と大きな声であいさつをしてくれ、とても気持ちよく行くことができたとのことです。

残念ながら、大川先生は修学旅行の引率で同席いただけなかったものの、SAT隊の隊長をはじめとする3年生のメンバーが中心となって、副代表をもてなしてくれ、合唱演奏もしてくださいました。この縁を結んでくれた「マイバラード」は、1年前よりさらに上達していて、きれいな歌声に、副代表は感激して涙ぐんでしまったとか。

 


歌をプレゼントいただき、SAT隊のみなさんと記念撮影。副代表、本当に楽しそうです!

 

帰り際、ちょうどお戻りになった大川先生は、お疲れにもかかわらず車を出して、副代表を市内に送ってくださいました。車内では「(生徒たちは)何か悩みがあっても、SAT隊で歌うと、元気が出るようですよ」と教えてくださったとのこと。
その後SAT隊の生徒さんが副代表に送ってくれたお手紙の一部をご紹介します。

「(略)ご来崎いただき、ありがとうございました。その際におほめいただいた『マイバラード』は、今でも歌い続けています。
最近では、同じく松井孝夫さん作曲の『ここにいる幸せ』を練習しており、SAT隊はすっかり松井さんのファンになっています。」

「(略)今、私たちは歌を練習しています。『マイバラード』や『旅立ちの日に』など様々な歌を歌っている中で、音楽が大好きになりました。」

 

 

SAT隊 全国へ!

2020年3月、小林副代表は、くまモン生みの親として有名な小山薫堂さん、アナウンサーの宇賀なつみさんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜 15:00 – 15:50)に出演することになり、その中で「小さな親切」運動の話とともに、SAT隊の活動や、松井さんとのやりとりを紹介。その際SAT隊の歌声も、全国に届けられました。

また同年、SAT隊は日頃の地道な活動が認められ、「ボランティア・スピリット・アワード」の「コミュニティ賞」を受賞。加えて三和中学校生徒会も同賞を受賞されています。大川先生から伺ったところ、同一中学校で別々の団体の受賞は、全国に10校しかなかったとか。すごい!これは、学校や先生方のご指導の賜物であることはもちろんですが、生徒一人ひとりの心の美しさ、また彼らを育んだ地域の温かさを思わずにはいられません。

番組の中で小山薫堂さんは、「一つの小さな親切を実行した人が、小林さんと出会って心が響き合って、そこからまた新しい物語が生まれて……どんどん広がっていくんですね」とおっしゃっていましたが、きっとまずは地域の環境や人の温かさがあったのですね。そしてそれがSAT隊一人ひとりの純真さや思いやりとなって現れ、大人たちの心を動かして、さらには見知らぬ人たちに、他者のために活動することの喜びを伝えてくれたのかもしれません。

写真は、大川先生から送っていただいた、SAT隊の2020年最後の活動日の記念の1枚です。「コミュニティ賞」の賞状とメダル、そして小林副代表が贈った祝電とお花を手に、先生曰く“みんな達成感に溢れた誇らしげな表情で写真に収まっています”。本当に明るい素敵な笑顔ですね!また、「こんなにたくさんの方々から表彰されたり、祝福されたりする中学生って、日本中探してもめったにいないよね」と話をされているとか。

前列はこの春に卒業される3年生です。出会ったときはまだ1年生だったのですね。この間、色々な経験を重ねる中で、たくさんの宝物を手に入れたことと思います。それぞれの道を歩む皆さんの門出を心からお祈り申し上げます。そして、在校生の皆さんも、どうぞSAT隊魂を引き継いで、たくさんの素敵な思い出を作り、周りに幸せを広げていってくださいね!