2017年6月20日 越前町立織田小学校 2年生


紙芝居「まつりのひ」授業レポート
福井県 越前町立織田小学校


校門の先には、子どもたちを思って作られた
木造校舎が見える。

今年度初めて授業を行ったのは、福井県越前町立織田(おた)小学校。実は、織田小学校の校舎は木造。以前は、越前二の宮である劔(つるぎ)神社にほど近い場所にあり、約20年前に現在の場所に移転してきたのですが、その際、地域の「子どもたちにより良い環境で学んでほしい」「新校舎はぜひ木造にしてほしい!」との願いで、現在の木造校舎が出来上がりました。この辺りは越前焼や越前瓦の産地でもあり、学校の屋根にも伝統の瓦が使用されます。

②宮島先生

「大切なのは、人の話をよく聞くこと。
自分も伝わるように話しましょう」と宮島先生。

今回の授業で使用したのは、運動本部オリジナル紙芝居「まつりのひ」。大きな災害が起きた“どうぶつ村”のその後を描いた作品です。この作品は、小学校の全学年の資料として活用できるため、織田小学校では、2・3・5年生で授業を行いました。
講師は元小学校長の宮島盛隆(みやじま・もりたか)先生です。ここでは、2年生の授業の様子をご紹介します。


【授業の様子】
まず、子どもたちに、人にやさしくしてもらってうれしかったことを聞きました。こどもたちからは、

  • 骨折した時、みんなが助けてくれた。
  • 鉄棒が空いてないときにゆずってくれた。

といった答えが返ってきました。
宮島先生は、「ほかにもきっとあるよね。どんなことがあるのか、今日は親切について考えてみましょう」と授業を進めていきます。


③真剣に話を聞く子どもたち

真剣に紙芝居を見つめる子どもたち

子どもたちから話を聞いた後は、紙芝居「まつりのひ」の朗読です。今回は、担任の先生にもご協力いただき、3名で作品を読みました。
子どもたちは真剣に、集中して作品を聞いています。
その集中力には、普段接している先生方も、おどろくほどでした。


作品が読み終わると、次の場面について、キュウスケはどんな気持ちだったか聞いてみます。

①コタローが村を案内している場面

④村を案内
  • 初めての人と行くのはドキドキ…
  • 知らない人に出会ったらどうしよう(心配)
  • 案内してくれるのがうれしい!
  • 誘ってくれて、ありがとう。
②まつりの出し物が成功した場面

⑤まつりが成功
  • みんなと練習したからできた!
  • うまくいかないと思ったけど成功した。
  • ポンタやコタローが教えてくれたからできた。
  • 一緒に練習してくれてありがとう。

最後に、改めて、キュウスケのように自分がやさしくしてもらってうれしかったこと、反対に、やさしくしようと思ったけどできなかったことがないか、聞いてみます。

◎やさしくしてもらってうれしかったこと

  • 一人で遊んでいたときに、一緒に遊ぼうと誘ってくれた。
  • わからないことを、教えてくれた。
  • 賞状の受け取り方を忘れたときに、やり方を教えてくれた。

しようと思ってできなかったことは、出てきませんでしたが、子どもたちは、日常の中で、人のやさしさをしっかり感じていることがわかりました。


熱心にメモを取る先生たち。

【たくさんの大人に囲まれて】
今回は、他学年の先生たちだけではなく、他校の先生や地域の大人たちがたくさん授業見学にいらしてました。その数、なんと3時間の授業で総勢40名以上!
みなさん、子どもたちの成長を楽しみに、そして自分たちに何ができるのかを真剣に考えていらっしゃるのです。「子どもは地域の宝」そう話す方もいらっしゃいました。学校の先生たちは、平成30年度の道徳教科化に向けて、宮島先生の「道徳の時間で一番大切なのは、みんなを大事にすること」という言葉を刻み込んでいるようでした。

授業の中で、子どもたちは本当に、素直にまっすぐな気持ちを表現してくれました。そうすることができるのは、自分たちのことを思ってくれる大人たちに囲まれているからなのかもしれません。


実施概要
主催:公益社団法人「小さな親切」運動本部
補助団体:公益財団法人 JKA
講師:宮島盛隆(白百合女子大学 講師)
参加協力:越前町立織田小学校
日時:平成29年6月20日(火)