子ども必見!
作文コンクール審査員からのアドバイス

「小さな親切」運動の作文コンクールの季節になりました。何を、どんなふうに書いたらいいのか迷っているという方に、審査員(しんさいん)の一人からのアドバイスです。ご参考(さんこう)にしてください

自分の感動(かんどう)を表現(ひょうげん)しましょう。

親切な行いをされたときや見かけたときには、あたたかな気持ちになるものです。
また、親切を実行(じっこう)するときは、ちょっと勇気(ゆうき)も必要(ひつよう)になります。
いずれにしても、心になんらかの作用(さよう)が起きます。いつまでもドキドキしていたり、幸せな気持ちになったり、元気になったり、人によって感じ方はちがいます。

どんなふうに感じたのか、どうしてそう感じたのか、それをすなおに書くといいでしょう。ぐたい的で、あなたらしい表現(ひょうげん)ができれば、きっと作文は生き生きとしたものになるはずです。

経験(けいけん)を生かせることがあれば、書いてみてください。

今話をした感動やドキドキ感は、「小さな親切」が持っている心の栄養(えいよう)です。
それを経験したことで、あなたはちょっと成長(せいちょう)しています。

じゃあ、もう一歩進めて、これからその経験(けいけん)をどのように生かしたいかを考えてみてください。
友だちやお父さんお母さん、まわりの人との関係に生かせることもあるでしょう。
花や生き物などへの興味(きょうみ)が深まったということもあるかもしれません。
それを作文にもりこむと、あなたがどのような成長をしたのかもわかる作文が書けると思います。

物まねはぜったいダメ!

人の作文をそのまままねをすることはぜったいしてはいけません。
あなたの体験(たいけん)を書かなければ意味(いみ)がありません。もしも「特に思い浮かぶことがありません」というのであれば、感性(かんせい)をあげるためのウォーミングアップとして、こんな想像(そうぞう)をしてみましょう。

人間は生きている以上、誰かに助けてもらっています。
あなたがおにぎりを食べるとき、いったい何人の人間がそれに関わっているでしょうか。
おにぎりをつくった人、ノリをとった人、お米やうめぼしを作った人、それを運んだ人、加工した人、スーパーマーケットの人などなど、おにぎり1つに100人以上の人がかかわっているはずです。
いや運んだ車を作った人などもいるのですから、もっともっと多いでしょうね。

そういう目でもう一度、自分の毎日を見つめなおしてください。
あなたが親切を受けている人は意外(いがい)に多いと思います。

今年はどんな作品に出会えるのかな。

「『小さな親切』作文コンクール」は、文章づくりの技術(ぎじゅつ)だけを審査(しんさ)するものではありません。それよりも気持ちが大切です。書いた人の感動がストレートに、読み手に伝わってくる作品が良い作品となります。
またテーマとして、電車などでの席ゆずりや、道案内、そうじなどはよく取り上げられます。でも、席ゆずりの話ばかりが入賞というのでは、「小さな親切」のはんいを狭めてしまいますので、選別(せんべつ)することもあります。
そのばあいでも、気持ちの表現(ひょううげん)の差が決め手になります。

全国で選ばれた作品が、東京の中央本部に集まりますが、私は最終審査員(さいしゅうしんさいん)の一人ですので、ゆうしゅうな作品ばかり読ませてもらっています。2つに1つは、泣きながら読んでいます。
勇気づけられることもたくさんあって、心の栄養もいただいています。ほかの審査員(しんさいん)の皆さんも毎年この季節を楽しみにしていると言っています。
作文を書いてくださる小中学生の皆さん、この場を借りて、『どうもありがとう』。今年もたくさんの応募をお待ちしています。

「小さな親切」作文コンクール最終審査員(さいしゅうしんさいん)
にいのゆうひこ

コロナ禍の子どもたちが教えてくれた“大切なこと”

令和3年(2021)度の「小さな親切」作文コンクールは、通常テーマ「小さな親切」に加えて、特別テーマ「コロナが教えてくれたこと」を設けました。 “ウィズコロナ”が日常となった子どもたちの作文には、幸せの本質や人の心の在り方など、大切なメッセージがたくさん詰まっていました。

特別テーマに寄せられた作文の傾向を一部ご紹介します。

“当たり前”が幸せ

圧倒的に多かった作文のテーマは、コロナ前の日常が「いかに幸せだったか」気づいたというもの。学校行事や修学旅行に加え、人生の節目となる入学式や卒業式、一生懸命練習に打ち込んだ部活動の大会などが中止となり、多くの小中学生が残念な想いを綴っていました。
コロナによって、一生の思い出となる機会がたくさん奪われてしまったことに胸が痛くなりますが、これまで当たり前のように過ごしていた学校や家庭での日常は、「決して当たり前ではない、とても幸せなものだったのだ」と気づいた子がたくさんいました。だから、これまで以上に、家族や身近な人に感謝しながら、一日一日を大切にしよう……と、彼らは前向きに”今“を生きています。
年を重ねた大人のように、達観した子どもたち。早くのびのびとした生活ができるよう願っています。

大人への批判の目

クラスメイトとの楽しい食事の場である給食の時間は「黙食」となり、友達と遊んだり、家族との旅行や外食もできなくなりました。学校や家で、様々な制限を強いられている子どもたちの「息抜きの場」は多くありません。
そんな中、テレビで目にするのは、緊急事態宣言中にも関わらず、路上や居酒屋で遅くまで飲み、ハメを外す大人たちの姿。自分たちは感染しない・させないように、いろいろな我慢をしているのに、なぜ大人はルールを守らないのか、と怒りをぶつけている作文もありました。
また、「コロナ差別」「自粛警察」など、他人を攻撃する人に対しても厳しい意見が。「憎むべきはウイルスであって、人ではない」と、多くの子どもたちが相手を気遣う心の余裕を持つよう訴えています。
本来、子どもたちのお手本であるべき大人。我々の言動・行動は常に子どもたちに見られていることを忘れずにいたいものです。

“人の心”を教えてくれたコロナ

家族や身近な人がコロナに感染したり、濃厚接触者になった体験を書いた作文もいくつかありました。通っていた幼稚園で感染者が出たため、濃厚接触者になった妹に、思わず「近寄らないで!」と言ってしまった小学生は、幼い妹を傷つけた罪悪感でいっぱいになりながらも、自分の心を見つめ、差別は決してしてはいけない、コロナが「人の心」を教えてくれた、と綴りました。
不安や恐怖によって生まれてしまう「差別の芽」。それを摘むことができるのは、唯一「人の心=思いやりの心」だけ。コロナに打ち勝つためには、「人の心」を失ってはならないと多くの子どもたちが気づいてくれたことは、嬉しい限りです。

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第45回(令和2年度)入賞・入選者【PDF】
第44回(令和元年度)入賞・入選者【PDF】
第43回(平成30年度)入賞・入選者【PDF】

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