コラム「子どもの気持ち」
親切を実行するきっかけとなった人はだれ?

子どもたちが親切を考えるきっかけになったり、親切をすることができたきっかけとなった人はだれでしょうか。平成28年度の作文コンクールに入賞した130作品から抜き出してみました。
※小学生、中学生各65編の、文中に登場する“きっかけ”となった人を全て抜き出し

【影響を与えた人 小学生】

小学生の場合、まずは「お母さん」の言葉や行動が親切を考えるきっかけになるケースが目立ちます。
今回は特に、お母さんが、お年寄りや体の不自由な方を手助けしたり、初めて会った人でも迷わず思いやりのある行動をとったことで、自分も親切をすることができたという内容が多くみられました。

母親を含め、父親や兄弟、祖父母の合計は42件。行動範囲の狭い小学生にとって、家族が与える影響は大きいことがわかります。
一方、電車やバスなどで初めて会った人が、お年寄りや体の不自由な方に席をゆずっているのを見て、「次は自分もがんばろう」と、実行に移す子どもも多く、「大人の行動」は常に子どもたちに見られていることを肝に銘じておきましょう。

【影響を与えた人 中学生】

中学生が親切について考えるきっかけになった人が「お母さん」であるケースは9件でした。
お母さん以外の家族とあわせても18件と、小学生に比べると、家族の影響は少ないことがわかります。

中学生になると、学校や家の外に出かけることが増え、行動範囲が広がります。そのため、出かけた先で初めて出会った人、旅先で出会った外国の方などに影響を受けることが多いようです。

ガンバレ!お父さん

小中学生とも、家庭での接点が少ないためか、「お父さん」が影響を与えた件数は、お母さんに比べるとだいぶ少なくなっております。
しかし、お父さんが登場する作文を実際に読んでみると、ふだん口数の少ないお父さんが率先して親切な行為をすると、子どもたちに大きなインパクトを与え、「見直した!」「お父さん、スゴイ!」と称賛する作文が多いです。

件数は少ないのですが、「影響力」という点では父親も母親には負けていない、ということを世のお父さん方、忘れないでくださいね。

先生・保護者の皆様へ

「小さな親切」運動では、子どもたちの思いやりの心を育てるため、さまざまな活動を行っています。

コロナ禍の子どもたちが教えてくれた“大切なこと”

令和3年(2021)度の「小さな親切」作文コンクールは、通常テーマ「小さな親切」に加えて、特別テーマ「コロナが教えてくれたこと」を設けました。 “ウィズコロナ”が日常となった子どもたちの作文には、幸せの本質や人の心の在り方など、大切なメッセージがたくさん詰まっていました。

特別テーマに寄せられた作文の傾向を一部ご紹介します。

“当たり前”が幸せ

圧倒的に多かった作文のテーマは、コロナ前の日常が「いかに幸せだったか」気づいたというもの。学校行事や修学旅行に加え、人生の節目となる入学式や卒業式、一生懸命練習に打ち込んだ部活動の大会などが中止となり、多くの小中学生が残念な想いを綴っていました。
コロナによって、一生の思い出となる機会がたくさん奪われてしまったことに胸が痛くなりますが、これまで当たり前のように過ごしていた学校や家庭での日常は、「決して当たり前ではない、とても幸せなものだったのだ」と気づいた子がたくさんいました。だから、これまで以上に、家族や身近な人に感謝しながら、一日一日を大切にしよう……と、彼らは前向きに”今“を生きています。
年を重ねた大人のように、達観した子どもたち。早くのびのびとした生活ができるよう願っています。

大人への批判の目

クラスメイトとの楽しい食事の場である給食の時間は「黙食」となり、友達と遊んだり、家族との旅行や外食もできなくなりました。学校や家で、様々な制限を強いられている子どもたちの「息抜きの場」は多くありません。
そんな中、テレビで目にするのは、緊急事態宣言中にも関わらず、路上や居酒屋で遅くまで飲み、ハメを外す大人たちの姿。自分たちは感染しない・させないように、いろいろな我慢をしているのに、なぜ大人はルールを守らないのか、と怒りをぶつけている作文もありました。
また、「コロナ差別」「自粛警察」など、他人を攻撃する人に対しても厳しい意見が。「憎むべきはウイルスであって、人ではない」と、多くの子どもたちが相手を気遣う心の余裕を持つよう訴えています。
本来、子どもたちのお手本であるべき大人。我々の言動・行動は常に子どもたちに見られていることを忘れずにいたいものです。

“人の心”を教えてくれたコロナ

家族や身近な人がコロナに感染したり、濃厚接触者になった体験を書いた作文もいくつかありました。通っていた幼稚園で感染者が出たため、濃厚接触者になった妹に、思わず「近寄らないで!」と言ってしまった小学生は、幼い妹を傷つけた罪悪感でいっぱいになりながらも、自分の心を見つめ、差別は決してしてはいけない、コロナが「人の心」を教えてくれた、と綴りました。
不安や恐怖によって生まれてしまう「差別の芽」。それを摘むことができるのは、唯一「人の心=思いやりの心」だけ。コロナに打ち勝つためには、「人の心」を失ってはならないと多くの子どもたちが気づいてくれたことは、嬉しい限りです。

過去3年間の入賞・入選者はこちら

第46回(令和3年度)入賞・入選者【PDF】
第45回(令和2年度)入賞・入選者【PDF】
第44回(令和元年度)入賞・入選者【PDF】

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